映画『ミステリと言う勿れ』

映画『ミステリと言う勿れ』が動画のサブスクにあったので見てみましたのでその感想をちょろっと。
まず感じたのは「主人公の整くん(久能整)はスクリーン映えする!」ってことでしょうか。
あの独特のテンポで話すセリフや、どこか淡々としてるけど核心を突く言葉が、映画の静かな空気の中にしっくり溶け込んでいるなと。
原作漫画やドラマを知ってる人なら、整くんの“語り”がどう映像化されるか気になると思いますが、映画版はその語りをちゃんと“映画のリズム”に合わせていて、聞いてて自然だったのが印象的でした。
菅田将暉さん、素晴らしい俳優さんです。

今回の物語は“広島編”が中心となっています。
原作漫画でも人気の高いエピソードなので、どう描かれるのか期待大!
雰囲気、最高でした。静かな街並みや古い家のたたずまいが物語のミステリアスな空気を支えていて、「映像で観るとこんなに深みが出るんだ……」って感心しました。
しかも、整くんの柔らかい語りと、登場人物たちが抱える“重たい現実”とのギャップがうまく表現されていて、観ている間ずっと心の奥がじんわりとしました。

全体的にキャストが素晴らしいです。
特に広島編の登場人物たちの表情がリアルで、言葉にしない感情が目線ひとつで伝わってきます。
セリフのやり取りよりも、“間”で語るシーンが多くて、そこがこの作品らしいです。
派手なアクションやどんでん返しがあるわけじゃないけど、「人の心って、こうやって動くんだな」としみじみ感じる瞬間が何度もあります。

まとめると、『ミステリと言う勿れ』の映画版は、派手さよりも“心に残る静けさ”で勝負してる作品です。
ミステリーというより、“人の心を読み解く物語”を楽しみたい人にぴったり。観終わったあと、「ちょっと誰かと話したくなる映画」って感じでした。

ノベライズ化もしているようなので、読んでみたいな。

カセットブーム

最近、カセットテープがまた流行ってるって知ってますか?
最初聞いたときは「え、今どき?」とか「今更……」って思ったけど、調べてみたら意外とアツいかも。
レトロブームってのもあるけど、それ以上に“あの感じ”が今の時代にちょうどいいのかもしれないって。

カセットテープって、デジタルと違って音を聞くためにちょっと手間がかかるじゃないですか?巻き戻したり、早送りしたり。
スマホでワンタップですぐ再生できる時代に、あえてそういう“不便さ”を楽しむのが、なんかいいのかもしれません。
本を読むのにちょっと似てるかも。電子書籍ならピッと開けるけど、紙の本をパラパラめくるあの手触りとか、紙の匂いとか、そういうアナログな感覚が落ち着くし楽しいというか。

カセットも同じで、テープのガチャって音とか、ちょっとノイズ混じりの音質とかが逆に味になってるなあって。
最近の若い人たちが「カセットってなんかエモい」って言ってるのもわかる気がします。あれはただの音楽再生ツールじゃなくて、一つの“体験”なんだと思います。

本を読みながらカセットで音楽流すと、めっちゃ雰囲気出るんですよ。例えば、雨の日にちょっと古めのジャズが入ったカセット流しながら、古本屋で見つけた文庫本を読むとか。
もうそれだけで気分は昭和の文豪(笑)
デジタルばっかりの毎日だからこそ、こういうアナログな楽しみ方って、心がゆるむというか、落ち着きます。

というわけで、最近カセットテープにちょっとハマってます。
本と音楽、どっちもアナログで楽しむの、ちょっといいかも……です?

ギルティ

なにか映画を見たいなと思って、SNSで評判のいい映画を探していたら『ギルティ』(2021年・アメリカ版 アントワーン・フークア監督)が面白いというのを見てこの映画を見ることにしました。
いわゆるワンシチュエーション映画です。

舞台はロサンゼルスの緊急通報センター。主人公ジョー(ジレンホール)は、警察官としての過去に問題を抱え、今はオペレーターの仕事をしてるんだけど、ある通報を受けて一気に事態が展開していきます。
ほとんど画面に出てくるのは彼ひとり。場所もずっと通報センターのみ。
だけど、声の演技、息づかい、視線の動き…そのすべてがリアルで、観てるこっちも息が詰まりそうになるほど。
まさに「音」と「演技」だけで成り立ってる映画って感じかな。

ストーリーはすごくシンプルだけど、その中に「思い込みの危うさ」や「正義ってなんだ?」みたいな深いテーマが詰まってます。
途中で「あっ……そういうことか」って気づく瞬間があって、そこから一気に物語の印象が変わるんだよね。ラストは静かなんだけど、めちゃくちゃ心に響きました。

全体通して90分ちょっとでテンポも良く、無駄がない。しかも、舞台も音も最小限なのに、これだけ濃密な体験ができるのは正直言ってすごいの一言。

電話の向こうの人たちの顔が見えない分、想像力もフル回転するし、観終わったあとも余韻が残るタイプの映画だった。
まさに見る叙述トリック小説。

派手なアクションや映像じゃなくて、じわじわくる緊迫感を味わいたい人にはおすすめです。シンプルだけど奥深い、そんな一本。

TXQ FICTION

最近、フェイクドキュメンタリー(通称:モキュメンタリー)というジャンルが流行ってきていてとても嬉しいです。
わたしは以前からそのジャンルが、日常と非日常が融合して自らがその体験の渦中にいるような不思議な感覚がなんとも言えず、好きなジャンルでした。
フェイクであることが見抜けず、苦情が殺到してしまったりして一時期あまり見られないジャンルとなっていたんですが、ここ数年前からまたテレビだったり、YouTubeで取り扱うようになり人気を博しています。
特にテレビ東京の「TXQ FICTION」というフェイクドキュメンタリー特別番組が大変素晴らしいです。
何がすごいって、番組自体がリアルに作り込まれているのはもちろんのことですが、番組を飛び越え、リアルイベントとも連動していたりして、よりリアルに感じられるところです。映像を見る+イベントに参加することにより自らその体験み身を置くことができるというか……。
昨年話題になった「行方不明展」はTXQ FICTIONの第二弾「飯沼一家に謝罪します」と、今年は「恐怖心展」と第三段「魔法少女山田」と連動してい連動しています。
また第一弾「イシナガキクエを探しています」は先日書籍化しました。あのフェイクドクメンタリーを本でどうやって表現するのか楽しみなので、購入してみようと思います。
このジャンルが今後ももっと賑わってくれることを願っています。

読書垢のメリット

読書が好きなみなさんは読書垢(読書専用のSNSアカウント)を持ってますか?
読書垢を作るメリット結構たくさんあります。作るメリットは以下の通りです。

●読書仲間との交流
同じ本やジャンルを好きな人と繋がり、感想を共有したり、おすすめの本を教え合ったりできる。新しい視点や本に出会える。
わたしはここの恩恵がとても大きいです。

●読書の記録・管理がしやすい
読んだ本の感想やメモを投稿することで、読書履歴を整理できる。後で振り返る際にも便利です。

●モチベーションの向上
公開することで読書習慣が続きやすくなり、目標…たとえば年間100冊とか達成の励みになります。

●本選びの参考になる
他ユーザーのレビューやトレンドを見て、次に読む本のアイデアを得られる。書店や図書館に行く前のリサーチにも役立つ。

●自己表現や成長の場
感想を言語化することで思考が整理され、文章力や分析力の向上にも繋がる。読書を通じた自分の変化を記録できる。

他にもアカウントを運用していると、たくさんのメリットに気付かされます。
今やSNS時代、読書するにも活用しない手はありません。ぜひ読書垢作って見てくださいね~!

洗礼

昔読んで怖かった記憶のある、楳図かずお先生の「洗礼」という漫画をもう一度読んでみたくて、電子書籍で買ってみました。
この作品は1974年から1976年に連載されていた結構古い作品なんですよね。
数ある楳図かずお先生の作品の中で代表作のひとつにあがるほど有名だし、映画化もされていたりまします。
簡単に内容を説明すると、

美貌を誇る大女優「若草いずみ」は、自分が老いることや醜くなることに人一倍敏感で、顔にできたアザを気にするあまり精神が不安定になっていきました。若草いずみは誰とも知れぬ行きずりの男と子どもを作り、ひっそりと芸能界から姿を消します。
いずみの子どもはさくらという名前でとても美しく成長しました。
なんといずみは、昔からの主治医村上に頼み、娘の脳と自分の脳を入れ替え、もう一度若返る計画を立てていたのです。
抵抗するさくらに無理やり手術を施し、生まれ変わったいずみ(さくら)は今度は一人の女性として幸せな人生を歩もうとするが……。

こんな感じです。
美に執着するあまりどんどん狂っていく様、また脳をすげ替えた美少女さくらが自分の欲望のため、まわりへ壮絶ないじめや策略をめぐらせるのですがそれがまたとても怖いんですよ。
今なら描写することが難しいような内容もあって、なかなか過激な作品です。
怖いけど妙に引き込まれる作品なんですよね。久々に読みましたけど、やっぱりすごい。
楳図かずお先生の圧倒的な画力、表現力でぐいぐい引き込まれます。
映画は見たことないので、今度探して見てみようかな。

教皇選

話題になっていた映画「教皇選挙」を少し前に見てきました。
この映画はロバート・ハリスの同名小説を原作とし、エドワード・ベルガー監督が手がけた政治サスペンスです。バチカンの秘密主義と教皇選出の舞台裏を描いた作品です。
正直、カトリックについてやローマ教皇についての知識がほぼないため楽しめるか不安ではあったのですが、あまりにも面白いと評判だったし、劇場をみたらチケットがかなり売れていて当日だと席の確保ができないほどだったのでこれはあたりかもしれないと思って行ってみました。
結論から言うと、そこまでカトリックに詳しくなくても楽しめます。とても良質な映画でした。
公式サイトに簡単な用語説明と、自分相関図があるので、それさえ見ておけばOKというか、より深く理解できると言う感じですかね。

あらすじ(ネタバレなし)は
ローマ教皇の急死を受け、世界中から100人を超える枢機卿たちがバチカンのシスティーナ礼拝堂に集結し、新教皇を選出する「コンクラーベ(教皇選挙)」が始まります。​選挙を取り仕切るのは、イギリス出身のローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)。​彼は、教会の未来を左右するこの重要な選挙を公正に進めようと努めます。​
しかし、選挙が進む中で、ローレンスは故教皇が生前に密かに任命していた新たな枢機卿、ベニテス大司教の存在を知ります。​この予期せぬ展開により、選挙は混迷を極め、教会内部の秘密や陰謀が次第に明らかになっていきます。​
この映画は緊迫した密室劇で、​システィーナ礼拝堂という閉ざされた空間で繰り広げられる心理戦と権力闘争が、メインとなるサスペンスです。
詳しくかくとネタバレになってしまうので控えますが、本当に良い映画です。
選挙の裏側、策略、心理戦…あと重厚な音楽に映像美、どれをとっても楽しめると思います。ご興味ある方はぜひ見てみてくださいね。

2人の魔女

先日、大好きなミュージカルの映画を観に行きました。
そう、タイトルでお察しの通り今話題の「ウィキッド」です!

幼い頃に劇団四季ミュージカルの舞台で拝見して、一瞬にして虜になったのを思い出します。
近年も再演されていましたが、あまりの大人気加減に、全くチケットが取れずに悔しい思いをしていました……。

でも、舞台ではないけれど、映画という形でまたウィキッドの世界に触れられることが本当にうれしかったですね。
そして久しぶりにウィキッドという作品を観て、改めて感動をしました。演技や技術もさることながら、最近の映像技術ってすごいですね……。

さて、一番最初に歌われる曲、グッドニュースがこの作品で一番大好きな曲なのですが、4DXの立体音響で流れた瞬間、その迫力やら歌唱力やら幼い頃の思い出やら、そして視覚ではダンスパフォーマンスが怒涛のように押し寄せてきて、ぶわっと涙があふれ出ました笑

どの曲も長いこと聞いていなくても脳内リピートできるくらい好きではあるのですが、オープニングのあの盛り上がりはやっぱり心が震えますね。

ウィキッドの映画は前後編になっていて、舞台で休憩が入るのと同じタイミングで区切れているのですが、続きの展開を知っていても早く後編を観たくて仕方ないです!

くりまんじゅう

わたしはX(旧Twitter)で連載しているWEB漫画の「ちいかわ」が好きなんですよ。
とっても愛らしい動物のキャラクターが、見た目に反して過酷な生活を健気に頑張っている様にやられました。ある程度漫画の本数がたまると、紙や電子書籍として販売しており、それもちゃんと買っています。
そんなちいかわの登場人物に、「くりまんじゅう」と呼ばれるキャラクターがいます。
名前の通り、和菓子の栗まんじゅうみたいな見た目で、目がくりくりとした可愛らしいキャラクターです。
見た目の可愛さに反して、お酒が好きで、お酒にあうおつまみを食べつつ飲酒すると、結構怖い顔をしながら「ハーーーッ」って叫ぶんですよね。そのギャップが結構好きなんです。
ちいかわに出てくるキャラクターはだいたい、何かしらの動物に見た目が似ています。
そういえばくりまんじゅうってなんの動物なんだろと、ふと気になって最近しらべたら「ラーテル」という動物ではないかと言われていました。
ラーテル……お恥ずかしながら初めて聞く名前です。
どんな見た目かとおもって画像を検索したら、たしかに色は違えどくりまんじゅうのように頭部にツートンの模様(?)が入っているんですよね。
またラーテルがなにかに怒っているのか、威嚇しているかのような歯をむき出しにしている表情が、くりまんじゅうがお酒を飲んだあと「ハーーーッ」ってする怖い表情とそっくりでした。
なるほど、これはくりまんじゅうのモデルはラーテルかもしないと思いました。
ラーテルは実は「世界一怖いもの知らずの動物」と言われているすごい動物でした。
皮膚が分厚く、そのうえよく伸びるためにライオンなどの猛獣に噛まれても平気だったり、毒に耐性があるためヘビも平気だったり、まさに怖いものがありません。
なので天敵という天敵がいません。
体は小柄ですが、非常に好戦的で頭も良く強い動物であることがわりました。
つまり、ラーテルがモデルのくりまんじゅう……実はものすごい強いのではと最近私の中で思うようになりました。
見た目は大変愛らしいくりまんじゅう……このままどうかキメラになったり凶暴になったりせず穏やかにお酒を楽しんでいていほしいものです。

鳥展

現在、上野の国立博物館で開催されている鳥展に行ってまいりました。
開催されて間もない頃、SNSで鷹のすべての体毛を分解?展開?して標本にされた展示の写真を見た時に、猛烈に生きたい!と思ったものの中々足を運べずにいましたが、ついに念願叶って見に行くことが出来たのです。

去年大哺乳類展も見に行っているので期待値はそこそこに高かったのですが、それを裏切らない満足度でした。

館内に入ってすぐのインドクジャクとシマエナガ(エナガ亜種)のインパクトもさることながら、第一章の展示のテーマに「絶滅」を持ってくるのはとても印象的でしたね。
ちなみに、浅い知識ながら日本で絶滅した鳥類のことはそこそこ頭にあったのですが、トキなんかは中国で繁殖したものを日本で放鳥して再び生息させることに成功しているそうです。

他にも、鳥類は最も人間に近しい生物だという文言も印象に残っています。視覚と聴覚で情報を処理し、声でコミュニケーションを取り合い、男性が着飾って女性にアピールをする……そう聞くと確かに!と思いました。

今まで鳥類に関して特別に勉強することはなかったのですが、知れば知るほど、鳥は合理的でスマートな生き物なのだなと感じます。
例えば、空を飛ぶために身体を極限まで軽くなるように頭を小さくし、尾の骨をなくした反面、飛空のために胸の筋肉が発達するよう進化していったという点なんかは、限りなく無駄を削ぎ落した美しい姿に思えてなりませんね。
同時に、頭が小さい→脳みそが小さい→忘れっぽい→鳥頭、という言葉につながったのかなとも思いましたが(笑)

今回見たものを忘れたくなくて、普段展示のグッズ類は買わないのですが、展示を見ながら図録の購入を決めました。(大哺乳類展の時に買わなくて後悔したことも理由の一つ)
展示では掲載されてなかったキャプションも記載されており、大満足の一冊です。(剥製が展示されていたけれど図録には載っていない鳥もいてそこは残念ですが……)

寝る前のひとときにケータイ小説はいかが?ジャンル豊富で手軽に読める!