面白くて粋な表現

この前、職場の人と一緒に出先でお昼ご飯を食べました。めずらしく和食のお店に入りました。けど、お昼だから、いくら和食と言っても豪華な懐石というわけではないです。結局、お得なランチメニューになってしまいます。でも、お昼はやっぱり、みんなそうです。ほとんどの人がお昼の定食を食べていたみたいです。私は『きつねうどんとミニちらし寿司』のセットにしました。これ、『炭水化物×炭水化物』の太るパターンで、本当は選んじゃいけないメニューなんですけど、お腹が空いてたし、その組み合わせの魅力に負けてしまいました。そして、目の前に運ばれてきたそれを見た瞬間、選択は正しかったと思えたんです。まず、きつねうどんを口に運んでみたら、出汁の味といい、麺のコシといい大正解でした。値段を考えたら、なんてお得なんだと思いました。同僚は、『天ぷらうどんといなりずし』のセットだったんだけど、そっちもかなり美味しかったみたいです。そしたら、同僚がこんなことを言ったんです。「こんな風じゃなくて、コシがないうどんのことを何とかって言ったよね? 美味しくないという意味じゃなくて……」ん? そんな言い方あったかな、と考えました。でも、私は普段それに当てはまるような言葉は使わないから思いつきませんでした。でも、しばらく考えてたら、以前読んだ小説にそんなようなことが書いてあったように思ったんです。でも、その時には、いくら思い出そうとしても思い出せませんでした。だから、家に帰ってから、すぐに本棚を漁りました。食べ物が出て来そうな小説をかたっぱしからめくってみたんです。そしたら、ありました。なんと『腰抜けうどん』だったんです。面白い。そして、なかなか粋な表現です。